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こた

Author:こた
千葉県北西部在住

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最低の観客
CIRQUE DU SOLEILの「ZED」を見てきた。
トライアル公演と呼ばれる、リハーサルに観客を入れて
最終の調整をしていく性質のものだったと思われる。

相変わらず人間離れした技を見せてくれる一方で、
「これだけなのか、この人たちは本当はもっとできるはず」と思う場面も多かったので、
本公演に期待したい。

しかしみんなどういうつもりで、何でも構わず拍手するのだろう。
同じCIRQUE DU SOLEILでも毎年お祭りのように
何とか娘が「何とかが来ます」とか宣伝しているような形態ならそれでもいいんだろう。
百歩譲って。
一都市での公演数は限られていて、
例えば日本での公演のために集められたアーティスト達は、
それが終われば解散していく。
だからそれぞれの公演、もしくはその中の場面のひとつひとつに
観客の反応があることは重要なんだと思う。

今回は違う。
その公演のために特別に作られた同じ劇場で、
わずかな修正はあろうとも同じ演目が延々繰り返されていく。
そういう状態のときに、ものすごいことにもそうではないことにも
同じ拍手と歓声が与えられたら、
やっている側は目指すところを見失う。
ほぼ毎日行われる公演でそんな反応が続いたらどうなるか。
やる側はどんどん、「ああこの程度でいいのか」と
パフォーマンスの質を落としていく。
世界中のすごい人たちを舞台の裏にも上にも集めても、
こんな環境ではいいものは育っていかない。
才能の無駄遣いもはなはだしい。
せっかくお金を払ってきたんだから盛り上がって帰りたい、
という気持ちも分からないではないが、
ただ盛大に拍手をして声援を送って
何度もカーテンコールに出てきてもらって心の交流があったなどと満足してはいけない。
この払ったお金に対して、どれだけのものを、あなたたちは見せるつもりなんですか、と
全身全霊で問いかけていくことだけが、本当の意志の疎通につながる。
これからどれだけすごいものを見せてもらえるようになっていくかは
観客のひとりひとりにかかっているのだけれど
そんなこと、誰も考えてないんだろうな。

だいたいこういう公演の場合には、まずはじめに無理をしてでも
世界で最高域に近い人々が集められるため、
開演直後頃よりも後々よくなっていくことはまずない、というのが通説。
その上彼らは独自の情報網を持っているから、
「あそこのショーは楽らしいよ」という感じで
後から来る人間は集まるだろう。
こんなくだらない観客の入る公演で成功だなんて言っても
その世界で通用するものではないから、
才能を持っている人ほど先に抜けていってしまうことにもなる。
この上なく情けなく、淋しい話だ。

私は本公演開幕(10/1)直後にもう一度、
見に行くことを決めているのだが、
もし興味があるなぁと思っている方には
上記のような理由でできるだけ早く見に行くことをお勧めする。


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テーマ:観劇 - ジャンル:学問・文化・芸術

その他 | 01:12:04 | Trackback(0) | Comments(10)